鍼灸国家試験対策勉強法 東洋医学概論

(こちらは2023年5月に開催した東洋医学概論の勉強会の動画の一部です。)

鍼灸師の国家試験では医療概論、衛生学公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学、臨床医学総論、臨床医学各論、総合問題(臨床医学)、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、東洋医学臨床論、総合問題(東洋医学)、はり理論、きゅう理論などが出題されます。 

大きく「基礎科目」「暗記科目」「応用科目」に分けて考えると勉強しやすいです。

基礎科目は解剖学と生理学と臨床医学総論と東洋医学概論と経絡経穴概論。

暗記科目は医療概論と衛生学公衆衛生学と病理学と関係法規とリハビリテーション医学とはり理論ときゅう理論。

応用科目は臨床医学各論と東洋医学臨床論と総合問題(臨床医学/東洋医学)と考えてもらうと勉強を効率よく学べると思います。

特に応用科目である臨床医学各論と東洋医学臨床論と総合問題は基礎科目の内容を理解していないと問題を解くことは難しくなります。

 

国家試験での基礎科目の問題比率(@鍼灸国家試験)

基礎科目に分類されるのは

解剖学

生理学

臨床医学総論

東洋医学概論

経絡経穴概論

の5科目です。

 

過去の国家試験の出題傾向を見ると

解剖学 5%

生理学 5%

臨床医学総論 5.6%

東洋医学概論 8.9%

経絡経穴概論 11.1%

このような配分になっています。

そのため、基礎を確実に自分のものにすることで35.6%得点することが可能です。(点数にすると64点。)

鍼灸国家試験での合格得点率が60%なので、基礎をしっかりと習得しておけば国家資格の試験問題であろうと得点を伸ばすことは可能です。

 

基礎科目として重要な東洋医学概論

鍼灸国家試験で問われる東洋医学概論は最も基礎となる科目のひとつです。日本語で例えるなら『あいうえお』で英語であればABCのアルファベットがここにあたります。そのくらい基礎的な内容です。

東洋医学概論という科目は、他の職業の領域とは相容れない独立した分野になります。

解剖学や生理学は、高校までの科目の「生物」の授業で学んだ事があったりして、今まで経験してきたことに近いものがあるかもしれません。

鍼灸師以外からすると『東洋医学』というのは世間的にはスピリチュアルだとか、東洋の古い考えだなどと言われることもあるようです。

また鍼灸の勉強を始めた学生さんからすると東洋医療は今までの経験でも聞いたことがなく、内容が他の科目との関連性が少なく勉強もしづらい科目です。

しかし、逆に考えてみると西洋医学的アプローチでは良くならなかった症状を、東洋医学的アプローチでは改善をすることができるかもしれません。これが鍼灸師の強みです。

東洋医学的アプローチの実際を紹介すると、現代社会において「ストレス」の問題はかなり深刻化しています。ストレスが原因となり、なんだか体調が優れないや、オフィスの冷暖房で体調を崩すや、よくお腹を壊すなどが多いと言われています。

生活していて病院に行くほどではないけど何だか体調良くないな~という症状、感じたことはないでしょうか?

これらは東洋医学概論で習う内容で説明がつきます。その症状の対処法も鍼灸師は説明できます。(鍼灸師になるのであれば説明できるようにならないといけませんね。)

なので、東洋医学概論をしっかり押さえることは鍼灸国家試験に合格するだけでなく、臨床に出てからも重要な学問となります。

国家試験に関してお伝えすると、東洋医学概論をきちんと理解していないと、鍼灸国家試験の『応用科目』である臨床医学各論と東洋医学臨床論と総合問題を解くことは難しくなります。東洋医療概論だけでなく、他の科目にも影響するのです。

苦手意識を持ちやすい場合もありますが、どのように学べばいいのか、そして最低限のレベルはどこかなどを紹介します。

実際に東洋医学概論の問題を解いてみよう!

 

さて、いかがでしたか?

簡単に思えた方はしっかりと暗記、そして理解ができています。

2択に絞れたけれど、間違った問題がある方はこのまま国家試験を受験するのは不安材料があります。再度、自分の理解していない部分を明確にして取り組んでみてください。先ほども書きましたが東洋医学概論をきちんと理解していないと、鍼灸国家試験に出題される『応用科目』である臨床医学各論と東洋医学臨床論と総合問題を解くことは難しくなります。ここは間違わないでください。

※これ以外にもたくさん問題を用意しています。こちらをご覧ください。全て無料です。

東洋医学概論WEB問題集

鍼灸師国家試験WEB問題集 東洋医学概論

 

東洋医学概論の勉強法(@鍼灸国家試験)

東洋医学概論は覚えることが多そうですが(多いです。実際)、整理することで効率的に学ぶことができます。

『とりあえず覚えないと!』と無計画に学ぶと自分のものにならない可能性もあります。きちんと計画し、国家試験に向き合えるしっかりとした基礎を身につけましょう。

 

東洋医学概論の勉強法の手順は大まかに3つに分けることができます。

1 東洋医学の概要の理解

2 基礎用語の暗記

3 過去問の解説を作成

この3つです。解説していきます。

 

1 東洋医学の概要の理解(@鍼灸国家試験東洋医学概論)

東洋医学概論の勉強をしていく上で最初にした方がいいのは、東洋医学の考え方を大まかに理解しておくことです。

例えば、西洋医学は病気や症状そのものを診ていくものですが、東洋医学では臓器の機能や身体への働き、臓器同士の関連性を重視し評価します。

一言でいうと、東洋医学は「身体全体」と「臓器同士の関連性」を診るものです。

 

特徴としては

①体の中の機能や繋がりを診て、評価(四診)や治療に活かす

②身体と精神のバランスや自然界を含めた周囲の関連性も考える

③自然の変化や自己治癒力などに応じて人間の行動や営み、病気も変化する

これらを基に勉強して行くことがポイントになります。

 

2 基礎用語の暗記(@鍼灸国家試験東洋医学概論)

東洋医学概論をおおまかに捉えることができたら、確実に覚えたいのは基礎用語です。ここの暗記なくして内容を理解することはできません。ここで言う基礎用語は大きく分けると陰陽論、五行論です。

陰陽論

西洋医学とは異なり、東洋医学は世の中の全ての関連性を「陰(いん)」と「陽(よう)」の二つに分けて考える理論です。

陰陽論は良い悪いではなく、相互関係であり、そこには調和→循環の流れがあり、バランスをこの陰と陽の働きで保たれていると思いましょう。

陰陽をグループ分けすると、陰は日陰・裏・暗い・冷たいなど。陽は日向・表・明るい・暖かいなどです。

五行論

この世のモノは独立していて同じモノが存在しないですが、種類が似ているということで、それらを5つの系統に分けて、世の中の現象を整理して把握するして関係性を説明したものが「五行論」です。

5つの分類というのが「木・火・土・金・水」で陰陽とはまた別になります。

皆さんが今まで経験したもので分かりやすくいうと、ポ〇モンのタイプが分かれているのと近いと思ってもらうといいかもしれません。

ポ〇モンのタイプに『効果ばつぐん』や、『効果いまひとつ』の関係性がある様に「五行論」も相手の働きを高めたり、作用を生み出す相生関係(プラス関係)と、互いの働きを抑え抑制関係の相克関係(マイナス関係)があります。

 

陰陽論、五行論、これらの関係を理解することで教科書の内容は格段に学びやすくなると思います。東洋医学概論の基礎は鍼灸師として仕事をする以上、避けては通れない部分です。もちろん鍼灸国家試験でも重要な考え方です。頑張りましょう。

 

3 過去問の解説を作成(@鍼灸国家試験東洋医学概論)

東洋医学概論のような基礎科目は国家試験での問題比率が少ないですが、理解をしておかないと応用科目の問題を解くことができないため、点数をとることよりも、内容の理解をすることが大切になります。

なので解剖学の攻略のポイントは「国家試験の過去問から解説を作る」事です。

その解説を作るときに「出題基準」を基礎科目は把握することが重要となってきます。

 

東洋医学概論の出題基準を下記にまとめているのでこれを基に自分で解説書を作成してみてください。

 

1 東洋医学の基礎①(五行論、陰陽論など)

2 東洋医学の基礎②(気、血、津液、気血・津液の生理など) 

3 五臓六腑(五臓、六腑、奇恒の腑など) 

4 病因論(内因、外因、不内外因、三毒説など)

5 病理と病証 (八網病証、奇経八脈病証、気血津液の病理・病証、五臓六腑の病理・病証、六経(三陰三陽) 病証、経脈病証など) 

6 東洋医学的診察法 (四診法、八綱による四診情報の分析と弁証の進め方など)

7 治療法(鍼灸の補瀉、治療の原則・法則など)

 

このように分類分けをすることで、科目の中でも絞って勉強すれば苦手科目だと思っていたものが実は、ごく一部だったことも知ることができます。

例えば、『自分の苦手科目=東洋医学概論』と思っていたら、この分類をして問題を解き解説を作ったら自分の苦手な部分は基本的な内容の『1、2の基礎』と『4の病因論』で、実際の症例に近い内容の『5の病理病症』は得意な部分だったと気づけるかもしれません。

自分で問題解説を作る最大の利点は、全ての領域が苦手科目ではないという事に気づけることです。国家試験はまだ先という方も習ったところを分類分けして、一部から勉強するだけでも苦手意識が減るので是非チャレンジしてみてください。

「必ず勉強する分野」

必ず勉強する分野は「気」「五臓六腑」「(病因の)六淫」「経脈病証」「切診」です。

 

▼気
「気」は気血津液の中で鍼灸国家試験の東洋医学概論の科目で、第25~30回の過去6年間で4問出題されており、よく出る分野になります。
出題された内容としては原気、衛気、営気、宗気が出題されていてそれぞれの気の特徴が多く出題されています。

「気」は全部で4種類あり、勉強するポイントは過去に出題された選択肢から内容を理解していくのが大切です。例えば原気だったら「臍下丹田に集まる」「発育を促す」役割がある。
このような形でどこを覚えるかを理解して過去問を解くのが大切です。
他の「気」の覚えるポイントは【参加無料】のオンライン勉強会でお伝えしておりますので
是非ご参加ください!
https://shinkyu.online/seminar/tyig/

▼病因 六淫
病因の「六淫」も第25~30回の過去6年間で5問出題されており、よく出る分野になります。
出題された内容としては外感病因(5問)、内生五邪、内傷病因、労倦(2問)に関しての問題が出題されています。
勉強するポイントとしては六淫の特徴、特によく出る「湿邪」「風邪」「暑邪」「寒邪」を覚えることが大切になります。

まとめ方のポイントは過去問をみて、六淫で出題された内容をまとめるのがオススメです。
「だるい感じの痛みが現れる」邪気は何か、そして他にもどのような特徴があるかをまとめる。例をあげると過去問をもとに「寒邪」は収引性、寒冷性、凝滞性
という形でまとめる、という流れになります。
他の六淫や他の分野のところに関しての詳細は【参加無料】のオンライン勉強会でお伝えしておりますので
是非ご参加ください!
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東洋医学概論の国試過去問WEB問題集

鍼灸国家試験でも問われる東洋医学概論の過去問をまとめてWEB問題集にしました。

※鍼灸国家試験対策ラボは鍼灸師学生さんの国家試験支援、キャリア支援をしているのでもちろん完全無料です。

年度毎に鍼灸国家試験を分けたもの、過去5年の過去問をまとめたものを掲載しています。鍼灸国家試験対策にご活用ください。

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