鍼灸国家試験対策勉強法 東洋医学臨床論

(こちらは2023年8月に開催した東洋医学臨床論の勉強会の動画の一部です。)

鍼灸師の国家試験では医療概論、衛生学公衆衛生学、関係法規、解剖学、生理学、病理学、臨床医学総論、臨床医学各論、総合問題(臨床医学)、リハビリテーション医学、東洋医学概論、経絡経穴概論、東洋医学臨床論、総合問題(東洋医学)、はり理論、きゅう理論などが出題されます。

国試対策の勉強をする際にはこれらの分野を「基礎科目」「暗記科目」「応用科目」に分けると効率的です。

基礎科目は解剖学と生理学と臨床医学総論と東洋医学概論と経絡経穴概論。

暗記科目は医療概論と衛生学公衆衛生学と関係法規とリハビリテーション医学とはり理論ときゅう理論。

応用科目は臨床医学各論と東洋医学臨床論と総合問題(臨床医学/東洋医学)と考えてもらうと勉強を効率よく学べると思います。

特に応用科目である臨床医学各論と東洋医学臨床論と総合問題は基礎科目の内容を理解していないと問題を解くことは難しくなります。

 

国家試験での応用科目の得点比率(@鍼灸国家試験)

鍼灸国家試験の応用科目に分類されるのは

臨床医学各論

東洋医学臨床論

総合問題(臨床医学)

総合問題(東洋医学)

の4科目です。

 

過去の鍼灸国家試験の出題傾向

臨床医学各論 12.2%

東洋医学臨床論 13.3%

総合問題(臨床医学) 4.4%

総合問題(東洋医学) 5.6%

 

合計35.5%

 

過去の鍼灸国家試験での問題数

臨床医学各論 22問

東洋医学臨床論 24問

総合問題(臨床医学) 8問

総合問題(東洋医学) 10問

 

合計64問

 

2021年の問題の改訂でもこの4つの応用科目【臨床医学各論、東洋医学臨床論、総合問題(臨床医学)、総合問題(東洋医学)】は問題数が増えています。

その中でも特に臨床医学各論、東洋医学臨床論は非常に大きなウエイトを占めており、ここの科目を攻略することが鍼灸国家試験を合格するうえで大切な科目となります。

 

解答に総合的な判断が必要。東洋医学臨床論(@鍼灸国家試験)

鍼灸国家試験を無事に合格し、鍼灸治療を行っていく上で大切になるのは、治療方針です。その治療方針は、鍼灸整骨院や鍼灸院、整形外科、訪問鍼灸など環境によって変わりますが、総じて言えるのは西洋医学的アプローチと東洋医学的アプローチの片方または両方を用いた治療方針になる場合が多いです。

東洋医学臨床論ではその治療方針とアプローチに関した問題が問われます。

 

東洋医学臨床論の問題の特徴は2つあります。

①症例に関しての問題

②症例対してのアプローチの問題

 

症例に関しての問題

東洋医学臨床論では、症例に関しての問題が出されます。内容は東洋医学概論を中心に解剖学や生理学を絡めた問題になるので、東洋医学概論を中心に勉強するのが大事ですが、解剖学や生理学の内容もしっかり押さえておきましょう。

症例対してのアプローチの問題

東洋医学臨床論では、症例に対してのアプローチの問題も出されます。

アプローチというのは治療方針を立てたあとの治療穴を答える問題が多いです。ここでは絡経穴概論の内容が非常に大切になります。

また問題によっては治療穴だけではなく、治療方針ー治療穴の組み合わせを答える問題もあるので、組み合わせの知識も必要になります。

 

以上のことを踏まえて考えると、

鍼灸国家試験で問われる東洋医学臨床論の問題を解くためには

 

東洋医学概論

経絡経穴概論

 

の知識も必要になります。

 

少し細かくはなりますが正確に言うと、東洋医学概論と経絡経穴概論だけではなく、解剖学や生理学の知識も必要になってきます。基礎科目として色々な科目の勉強に影響してくる解剖学や生理学。この記事を読んでくれている方で1、2年生の方は基礎の大切さをしっかり理解して取り組んでいただければと思います。

また最終学年で鍼灸国家試験を間近に控えられている方も、やはり基礎ありきの治療家です。なんとなくで済まさずにしっかりと自分のものにできるように勉強していきましょう。

 

東洋医学臨床論に関わる科目の出題傾向

東洋医学概論  8.9%

経絡経穴概論  11.1%

東洋医学臨床論 13.3%

合計が33.3%にもなります。

こう見ると3分の1が東洋医学臨床論に関わる科目です。

しっかりと得点したい分野ですね。

 

それに伴い問題数は

東洋医学概論  16問

経絡経穴概論  20問

東洋医学臨床論 24問

合計60問です。

 

東洋医学臨床論を正確に解けるようになることで国家試験の合格にぐっと近づきます。

ただ注意が必要なのは、東洋医学臨床論は単に暗記さえすればいいものではなくそれぞれの科目の知識を組み合わせて解答することが求められることです。

そのため東洋医学概論、経絡経穴概論を正確に理解し、知識を定着させなければ高得点が狙えない科目でもあります。逆に実際の臨床を想定したような問題でもあるので、勉強する際には鍼灸師になった時のことを想像できる面白い科目でもあると思います。

 

実際に東洋医学臨床論の国家試験過去問を解いてみよう!

 

さて、いかがでしたか?

簡単に思えた方はしっかりと勉強ができています。

間違った問題がある方はこのまま国家試験を受験するのは不安材料があります。どの科目(東洋医学概論、経絡経穴概論)が苦手で間違ったのか明確にし勉強する必要がります。再度、自分の理解していない科目を明確にして取り組んでみてください。

※鍼灸国家資格対策ラボではこれ以外にもたくさん問題を用意しています。こちらをご覧ください。全て無料です。

 

ちなみに全く分からなかった場合は、まずは学校で学んでいることを大切にしながら、このサイトを活用して鍼灸師の国家資格を取得できるように頑張ってください!!

 

東洋医学臨床論の勉強法(@鍼灸国家試験)

1 基礎科目の再確認

2 症例ごとに分けて勉強をする

3 過去問の活用、弱点分析

です。

 

これらを説明していきます。

 

東洋医学臨床勉強法ポイント1(@鍼灸国家試験)

東洋医学臨床論の問題は東洋医学臨床論のテキストを読み込んで暗記すればいいのかというとそうではありません。東洋医学臨床論は応用科目です。

応用科目を適切に理解するためには、基礎科目をしっかりと習得する必要があります。その上で、応用科目の考え方や暗記すべきことに取り組みましょう。

東洋医学臨床論の基礎となるのは東洋医学概論、経絡経穴概論です。

これらを学んでいることで正確に内容を理解できます。

逆に言うと、これらの科目を正しく理解できていないのに東洋医学臨床論だけで得点することは難しいです。テクニックではなく、王道の学びで得点を積み重ねましょう。

そのためには面倒に感じるかもしれませんが、東洋医学概論、経絡経穴概論にもしっかりと向き合い取り組んでいきましょう。

 

東洋医学概論の勉強法

鍼灸国家試験対策勉強法 東洋医学概論

 

経絡経穴概論の勉強法

鍼灸国家試験対策勉強法 経絡経穴概論

 

東洋医学臨床論勉強法ポイント2(@鍼灸国家試験)

東洋医学臨床論は応用科目で、24問出題されました。(第29回鍼灸師国家試験)

応用問題なので解く難易度は高いですが、最も得点源になる分野でもあります。

正確に解答するためには暗記だけではなく『考える力』を身につける必要があります。

 

東洋医学臨床論は範囲が広く、かつそれぞれの症例に対しての知識が必要となってきます。

それを考えただけで、苦手科目に分類されることもあります。

なので、症例をグループ分けし問題を解き、解説をつくっていくことをオススメします。

使う問題は、過去問を使っていきましょう。

東洋医学臨床論WEB問題集

鍼灸師国家試験WEB問題集 東洋医学臨床論

 

 

症例毎のグループ分け

 

  1. 診断と治療 (臨床における診断について、治療方針、治療計画など)
  2. 診察と記録 (診察法、記録法など) 
  3. 施術の基礎 (治療効果の根拠、施術の意義、治療原則、施術に併用する物理療法など)
  4. 症候に対する東西両医学 からのアプローチ(全身、皮膚・外表、感覚器、呼吸・循環器、消化器、 血液・造血器関連、 腎・泌尿器、 生殖器、心理・精神機能、神経・運動器など)
  5. 疾患に対する東西両医学からのアプローチ (神経・筋疾患、呼吸器疾患、循環器疾患、消化器疾患、腎・泌尿器疾患、代謝・内分泌疾患、自己免疫疾患、運動器疾患、婦人科疾患、小児疾患、皮膚疾患、耳鼻咽頭疾患、口腔・歯の疾患、眼疾患など)
  1. 高齢者に対す る鍼灸施術 (高齢者の特徴、高齢者に対する鍼灸施術など)
  2. スポーツ領域における鍼灸施術 (スポーツ障害、スポーツ外傷、スポーツ障害・外傷に対する鍼灸施術

 

東洋医学臨床論はなので難しい科目だ、と片付けるのではなく、自分自身が何が分かっていて、何が分かっていないのかを明確にしましょう。

『何が分からないのかが分からない』ということが一番の問題です。

症例ごとのグループ分けで問題を解くと、問題量はコントロールしながら解いていくことが出来ます。自分の弱点を理解していきましょう!

 

東洋医学臨床論勉強法ポイント3(@鍼灸国家試験)

3つ目のステップは『東洋医学臨床論の過去問を解き、自分の理解度を確認する』です。

ただやみくもに過去問を解き、過去問の答えを覚えてしまうことがないように、きちんと自分の理解度を把握しましょう。特に応用科目での過去問の活用は他の科目よりも注意が必要です。基礎科目の理解が乏しくて間違う可能性があるからです。

自分がなぜ間違ったのか。どこを理解していなかったり、どこを覚え切れていなかったりするのかを明確にしましょう。

 

実際に過去問を解く時のポイントは、問題を解く時に3つに分類すると効果的です。

 

◯:合っていると自信あり

△:2択くらいまで絞ったけれど自信なし

✖️:全くわからない

 

それぞれの問題を◯、△、✖️で分類すること。

その上で答え合わせをしましょう。

 

実際に答え合わせをすると

◯だけど答えを見たら正解の場合と間違っている場合があると思います。

もし、◯なのに間違っていた場合、根本的に覚えたことが間違っているので、その問題の項目はステップ1からやり直してください。

もちろん◯で『正解』であれば、正確に暗記できているので学び直す必要はありません。

 

次に△で、答えを見たら正解の場合と間違っていた場合があると思います。

ここでは正解であろうと間違いであろうとここはすでに分からないことがある状況なので、何をわかっていないのかを明確にしましょう。例えば問題文の専門用語がわからないのか、理論がわかっていないのかでステップ1から学び直しなのか、ステップ2から学び直しなのか違います。

 

正解だから理解している、ではなくきちんと自分の理解度を確認しましょう。

 

最後に✖️で正解の場合と間違いの場合があると思います。

✖️がついている時点で理解していません。

 

なので✖️がついた時点で学び直し決定です。

東洋医学臨床論で使う用語がや理論がわかっていないのか、それともそれ以前の基礎科目(東洋医学概論、経絡経穴概論)の用語や理論がわかっていないのか学び直しなのかで学ぶべき内容が変わってきます。

 

鍼灸国家試験の過去問を解くにしても上記した内容を意識して実施しましょう。

一番良くないのは『過去問の答えを暗記してしまうこと』です。

勉強した気では鍼灸国家試験は合格できません。

 

自分自身の苦手を明確にして、そこを徹底してなくせるように勉強に励みましょう。

「必ず勉強する分野」

必ず勉強する分野は「評価・検査」「組み合わせ」です。

▼評価・検査

「よく出る評価・検査」は鍼灸国家試験の東洋医学臨床論の科目で、第25~30回の過去6年間で2回以上出題されている、よく出る内容になります。
特によく出る検査として、ファレンテスト、フローマン徴候、チェアテスト、グラスピングテストがあります。出題された内容からまとめ方のポイントとしてまずは何の症例のテストなのかをまとめる、そしてポイントとして麻痺や症例の原因、関連の経穴などをまとめることが重要になります。

このように症例や覚えるポイント【参加無料】のオンライン勉強会でお伝えしておりますので是非ご参加ください!
https://shinkyu.online/seminar/seminar5/

▼組み合わせ
よく出る評価・検査の症例に加えて、他にも疾患と経穴の組み合わせでよく問われる問題があります。
よく出題される内容としては、シンスプリント、ジャンパー膝、フォアハンドテニス肘に関しての問題がよく出題されています。

空欄部分赤字の部分、他の部分の解説に関しての詳細は【参加無料】のオンライン勉強会でお伝えしておりますので是非ご参加ください!

https://shinkyu.online/seminar/seminar5/

東洋医学臨床論の鍼灸国家試験WEB問題集

鍼灸師国家試験WEB問題集 東洋医学臨床論

 

東洋医学臨床論を解くために必要な基礎科目

東洋医学概論の鍼灸国家試験WEB問題集

鍼灸国家試験対策勉強法 東洋医学概論

 

経絡経穴概論の鍼灸国家試験WEB問題集

鍼灸国家試験対策勉強法 経絡経穴概論

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